ポンペイ展に行った話。
るあしーです。
東京国立博物館にて 1/14 (金) ~ 4/3 (日) で「ポンペイ展」が開催されています。
いちローマ市民として行かないわけにはいきません。
さっそく行きました。
自分用のメモのつもりなので読む価値はない。
展示会場1作品目。
奥の映像に見えた現在のヴェスヴィオ山との対比が面白い。
山の勢いある筆跡、また私の信仰する酒神 Bacchus のともすれば面白くもある姿、入り口に飾るにはふさわしい作品。
12. ポリュクレイトス「槍を持つ人」
エロい。
私の貧相な語彙力ではこの単語しか出てこないと同時に、逆にこれほどまでにこの単語がふさわしいものも見たことがない。
大理石像、正直これまであまり興味はなかったんですよね。
でもこれを見たとたんに印象がガラッと変わりました。
胴体の筋肉は脇腹の部分などやや非現実的でもありながら、躍動感あふれる形。
腕に生々しく浮き出る何本かの血管。
それら細部を包みまとめる、全身のなめらかな形状。
最高です。エロい。
とりあえずこれだけでも見る価値はあると思う。
14. 日時計
ギリシア文字が使われているのが印象的。
私はあまりローマ史に明るくないので直前まで知らなかったのですが、ポンペイはローマの同盟市になった紀元前3世紀(ごろ?)以降もある程度は独立した権限や政治が行われていたんですね。Romanization が急速に進行したのは紀元前1世紀の同盟市戦争以降だとか。
この作品は紀元後1世紀のものですが、もともとあったギリシア文化の影響なのか、それともカッコいい感じにしたかったのか。現代の私たちも時計とかでローマ数字使いたいときありますからね。
18. ビキニのウェヌス
整った顔立ち、丸みのある身体、いやぁ、完璧。
あと現代まで金の装飾が残ってるの凄いと思います。
Venus を支えるのは Cupido と Priapus の二神。
Cupido はキューピッドとも呼ばれますね。
ラテン語 cupio 「欲する」とのつながりがあり、ギリシアの神 Eros と同一神らしいですね(後者は知りませんでした)。
これ以外にも様々な作品で登場しているのが印象的でした。やや下働きに近いような働きをしているのも印象的でした、気のせい?
Priapus は豊穣の神。
この神様を見分けるのに一番わかりやすいのは彼の巨大な男性器でしょう。
豊穣、生殖能力の象徴であると同時に、農場に盗みに入った人を攻撃する「武器」にもなっていました。
もっとも、この作品では今や彼の生殖器は欠損してしまっていますが、陰茎周辺にも金の装飾が施されていることからも、その重要性が窺い知ることができる気がします。
21~23. イシス神官についての諸作品
イシス信仰全然知らね~~~~~~~~、確か割と新宗教でそこまで歓迎されていた印象はないんだけれども分からない、勉強しなおします……
25. 俳優(女性役、おそらく遊女)
なんで遊女ってわかったんでしょうね、ぱっと見で服装がトーガかと思ったんだけど勘違いっぽいし……
31. 円形闘技場での乱闘
当時の人にとっての10年ってどのくらいの長さだったのだろうなぁと思いを馳せていました。
35. ブドウ摘みを表わした小アンフォラ(通称「青の壺」)
Ara pacis Augustae「アウグストゥスの平和の祭壇」のモチーフ、これ書きながら初めて知りました。
写真で見るとそれほど興味をそそられないんだけど、実際に見るとその精緻さに驚く。
39. 女性頭部形オイノコエ
欲しい。
42. ライオン形3本脚付きモザイク天板テーブル
欲しい。
なぜか印象に残っていたので理由を考えていたんだけど、なんていうんだろ、この作品がいちばん、2000年前にポンペイの街で人々が暮らしていたことを実感させてくれたんだと思う。
まさに、「そこに、いた。」
……って思ってからよくよく説明文見たら、もともと天板のモザイクがは床にあったもので、18~19世紀にテーブルとして作り替えられたんだってね。
はずかし、はずかし。
44. エピクロスの胸像
エピクロス先生!かっこいい。
60. 賃貸広告文
ラテン語読めるようになりたい。
68. 奴隷の拘束具
割とエグい使い方ですね……
71. 金庫
思ったより大きくてびっくり。
確かにこれがアトリウムに飾ってあればそれは権力の誇示になりそう。
72~75. 諸硬貨
硬貨から読み取れる情報量の多さは某書籍で学びました。
でもやっぱり実物は小さくてうまく読み取れないね……
図録には大きめ綺麗に印刷されていて大満足。
86~89. 炭化した食品
ここまできれいに形を保って現代まで残るとは驚き。
当時のレシピも調べたら出てくるかな、パン焼きたいな…
90. パン屋の店先
つい最近テルモポリウムが発掘されたというニュースがありましたが、割とそれの雰囲気に近い印象。
絵画に残る当時の生活と、遺跡に残る当時の建物が結びつき、少し楽しくなりました。
135. 男性胸像
ドラマ『ROME』の主人公そっくりで笑ってしまった。
139. サテュロスのオスキルム(吊り飾り)
こちらに描かれた Priapus にはその特徴的な男性器がはっきり見て取れますね、サテュロスのイメージとも合致しています。
邸宅の再現とかもあったけどまあこんなもんかという感じではあった。
まあ部分的にしか再現できないだろうし仕方ない。
全体的には大満足。
気に入った作品をもう一度見に行くのもありかもなぁ。(閉まったりとかしなければ)