るあしーです。

るあるあめっくの備忘録。

ラテン語を学習している話。

るあしーです。

 

この前の春休みから、ラテン語を学習しはじめました。

3Sも終わったので、とりあえず記録を残しておきます。

 

きっかけ

 あれは確か、春休みを前にした駒場書籍部の割引セールのときだったように思います。書籍部をうろつきながら、本を探していた私の目に、ある1冊の本が飛び込んできました。

 「はじめてのラテン語」。レジ横の新書コーナーに、フランス語、ドイツ語、中国語、エトセトラエトセトラ、有名な言語たちと共に並んでおりました。

 なぜあのとき興味を惹かれたのかは自分でも分かりません。分かりませんが、私がその本に、というよりもラテン語に、その瞬間惹かれてしまったことだけは確かです。

 悩みました。買うか買わないか。30分くらい。レジので。少しうろついてもすぐにまたそこに戻って。悩みました。悩んで悩んで悩んで、結局近くに並んでいた「中国人のこころ」という本を買いました。「はじめてのラテン語」は、買いませんでした。

 

 そのほか数冊の本も合わせ、買った本をさっそく読むために図書館に。席につき、本を読み進めるも、心の中に、ラテン語のことがどうしてもひっかかってしまいます。大人しく諦め、ラテン語のコーナーを探すべく検索用の端末に向かいました。

 図書館の3階なんてこれまでほとんど使ったことすらありませんでした。その一番奥、そこにラテン語ギリシア語、モンゴル語、いわゆるマイナー言語たちの本が並ぶ一角がありました。

 どれが良いのかなぁ。さっきの「はじめてのラテン語」、じっくり読んでみるとどうも情報量がなぁ。そう思って何冊か適当にめくり、そこで出会ったのが「ラテン語のしくみ」。

 なんというか、びっくりする本でした。細かなことは後で書きますが、もうそれはびっくりですよ。一目惚れのような感覚を覚え、同じ著者の「ラテン語ギリシア語を同時に学ぶ」と一緒に借りることに。そこからずぶずぶとラテン語にハマっていきました。

時系列

2月中旬:ラテン語のしくみ を読む

3月初旬:基本から学ぶラテン語 をやり始める

4月上旬:DuolingoのLatinコースをやり始める

4月中旬:前期教養のラテン語の授業に出てみる(結局4回くらいしか出なかった)

4月下旬:ローマ史を学び始める

5月初旬:接続法に入る辺りで力尽きる

5月中旬:しっかり学ぶ初級ラテン語 を始める

6月中旬:モチベが下がってくる

7月中旬:現実逃避の一環としてラテン語を再開する

 

ラテン語やってみた雑感

め~~~~っちゃ面白い。

まともに取り組んだ(≠身に付けた)言語は日本語・英語・中国語に続いて4つ目なんですが、活用も格変化も他と比べて圧倒的に豊かなんですよね。

実際に読むときにはどこがどこを修飾しているのかまるでパズルを解くかのようにしていくんですが、その過程もまた面白い。古代の人間に思いを馳せながら、時にはそのハチャメチャな語順にブチギレながら、1文1文じっくりと読んでいくのは、他の言語ではなかなかできない体験です。

 

まあ活用や格変化を覚えるのがクソ大変なんですけどね。

格変化は主・属・与・対・奪(・呼)の5(6)種、それに男性・女性・中性の区別が加わったものが、名詞では5種、形容詞では3種+αある。

活用に関しては、現在・未完了過去・未来・過去・過去完了・未来完了の6種に能動・受動の区別、加えて直説法・接続法の区別があり、それも変化の仕方が5種ほどある。しかも完了形については形が不規則。

正直まだ覚えてない。

あと接続法がめちゃしんどい。高校で仮定法を習ったときに時制どうすんねん!!!ってなった記憶を思い出してほしい、それを10倍くらいにした感覚。毎回ここで詰まる。

 

まあでも非常に面白いし、同時にローマ史とかも勉強してみると本当に魅了される。

「ローマ史には歴史のすべてが詰まっている」なんて言葉を言っている人もいますが、まさにそんな感じ。いや知らんけど。

 

あと、文法に偏重した勉強をしているから、単語とか殆ど覚えてない。数詞を言えない。全く。

 

各書籍の感想

ラテン語関連

ラテン語のしくみ

 僕がラテン語に出会った本であり、個人的には非常に好き。複雑な部分を省いて「しくみ」を教えてくれる本。活用を完璧に覚える必要も、単語の意味を覚える必要もない。ただ、その言語がどういうものなのか、基礎的な部分を教えてくれる。

 これを読みながら「us, e, i, o, um, o」って繰り返し言っていたのを今でも思い出せますよ。ここまで格変化に支配される言語をちゃんと知るのは初めてだったので、興奮しながら読み進めていったのを覚えています。

・基本から学ぶラテン語

 そんなわけで、真面目にやってみようと、文法書を購入することに。Webでいろいろ調べていると、どうやら最近発売されたこの本が比較的良いかもしれないな、と思い購入することに。

 中身は黒と赤の二色刷り。最低限の基本事項がまとまっている本です。徹底的に活用表を眺めて、喋って、覚えて、書いて、書いて、書いて、覚えるには非常に良いと思う。

 ただ、例文や問題の数が少ないのと、一部の文法事項が随分と簡略化されてしまっていることが気がかりでした。特に接続法の部分。

・しっかり学ぶ初級ラテン語

 だんだんモチベが下がってきた5月、気分転換に別の本を買ってみようと本屋さんへ。そこで出会ったのがこの本です。

 例文は500個、練習問題は200個。十分すぎるくらいにあります。しかもそれらの例文の多くは有名な書籍から引用されたものであり、それぞれの文に対して丁寧な説明がされています。一見するとびっしり詰まった文章量に圧倒されてしまいそうなのですが、いざ読み進めてみるとそれも気にならず、まるで授業を受けているかのような感覚で楽しみながら進めることができました。あと、単語の意味がそれぞれの文章の下に書かれているのが良いです。単語の意味に煩わされることもなく、文法事項に集中できます。

 ただし難点もいくつか。「有名な書籍から引用」と先ほど言いましたが、ラテン語とは格変化に支配された言語、即ち語順もバラバラ、どこの形容詞がどこの名詞に係るのか、省略されている語がどれなのか、本当に難しい。『基本から学ぶラテン語』で育ったゆとり世代の私には衝撃的でした。まあそこがラテン語の面白いところでもあるんですけどね。

 あと、未修の文法事項が序盤で若干登場することがあるので、1冊目がこれだと少し難しそうだなぁと感じました。

 もう一つ、単語の意味が書かれているというこの本の特徴、良く言えば文法事項に集中できるのですが、悪く言うと単語の意味を全く覚えなくなってしまうんですね。まあそれは僕の取り組み方があまりに杜撰だからかもしれませんが……

 今は接続法の部分を残すのみとなっています。そこがクソ重いんですが。 

・ニューエクスプレス ラテン語

 読み物。暇なときに適当なページをめくって適当に読むと楽しい。

 CDの音声、あれどうなんですか?あまりに質が低いと個人的には感じたのですが。

ローマ史関連

・教養としてのローマ史の読み方

 ラテン語をやっている途中で、ふと「もしかしてローマ史もやった方がよいんじゃないか?」と思ったので試しに購入してみたのがこの本。

 これ読むまでは僕はローマの事全く知らなかったんですよね。共和制から帝政への変化があったことも知りませんでしたし、いつからいつまで続いたのかも知りませんでした。そんな僕でも非常に楽しみながらサクサク読めたのがこの本。

 この一冊で一気にのめり込んだ気がします。

ローマ帝国人物列伝

 というわけで同じ著者のこの本を図書館で借りる。

 1冊目で見た登場人物たちのまた別の一面だったり、知らなかった人物の活躍だったりが見れてそれなりに楽しく読めました。

・ローマ人に学ぶ

 この本も上と同じタイミング。

 どうなんだろ、この本ならではの面白さもあったんだけど、上二つに比べたら印象は薄いかな…

・教養としての「世界史」の読み方

 世界史と銘打ってはいるけれども、著者が上の3冊と同じローマ史の研究者だから結構ローマ史に触れている本。

 内容自体は面白かったんだけど、ん?と首をかしげてしまう記述もちらほら。ここら辺から、あまり一人の著者ばかりに頼り切ると危ういのだなぁということを学び始める。たぶんこれ学問をやるうえでは必須の姿勢なんですけどね、歴史をこれまで全く学んだことが無かったから今更になってこれに気付きました。

古代ローマ人の24時間

 すごい。今度買いたい。

 名前の通り、ローマ人の24時間を追った本。何時に起きて何をして、仕事に行って、遊んで、夕飯に招待されて、夜はいろいろなことをして、と。情景描写も素晴らしく、文章を追っていくと、まるで自分が古代ローマにいるかのように目の前にその光景が浮かび上がってくる。

 本当に面白いので、ぜひ読んでみて欲しい。

古代ローマ帝国 1万5000キロの旅

 上と同じ著者の本。北はイギリス、南はアフリカ大陸にまでわたり、地中海をMare Nostrum(我らが海)と呼ぶほどにその勢力を拡大した古代ローマ帝国の各地方をめぐる旅。

 図書館の返却期限までに読み切れなかったので感想は無し。面白いけど長い…

古代ローマ人の愛と性

 名前で惹かれて借りてみた。上と同じ著者。

 現代には現代の性規範があるように、古代ローマには古代ローマの性規範がある。そしてそれは、当時の人たちからしたら当たり前であるようなものだが、現代人からしてみたら珍妙であるものも多い。そんな古代の愛と性に着目し、当時の恋愛とは、結婚とは、浮気とは、売春宿とは、そんな話を追った本。

 これも非常に面白い本。ただ内容が上の本と少し被る部分があったのが少し残念だったかな…

その他

・Duolingo Latin Course

語彙力を身に付ける、格変化を身体に染み込ませる、その目的でなら良いとは思う。

でも動詞がクソ。直説法現在形の6つしか出てこない。せめて未完了過去とかさぁ……(たぶん英語でこのニュアンスを出すのが難しいからだと思うんだけど)

ラテン語に慣れるには良いとは思うんだけど、活用ももうちょっとカバーして欲しかったなぁ、って。強くはお勧めできない。

NHKイタリア語講座

  ラテン語とイタリア語ってびっくりするくらい似てるんですよね。いやまあイタリア語には確か格変化はそこまでないはずなんだけど。

 たとえば動詞の形であったり、活用であったり、この番組を見ているととても為になることが多い。休憩がてら見ると良いかも。

 

これから

 某におススメされた Wheelock's Latin を買いました。金の力でモチベを無理やり上げて、夏休み中にもうちょっと進捗を生みたいな。

 これまでは文法偏重(文法を覚えたとは言ってない)だったので、しっかり語彙力を付けて行きたい。

 まああくまで趣味だからね。焦らずのんびりやっていきますよ。